FOR RETAIL
店舗什器の素材選び|耐久性とコストのバランス
什器に使われる素材の特性を知り、長く使える店舗空間を設計する
店舗づくりにおいて、什器の「素材選び」は見た目の印象だけでなく、耐久性・メンテナンス性・コストパフォーマンスを左右する重要な判断です。什器は毎日使われ、手で触れられ、商品の重みを受け続けます。開業時の初期費用だけを優先すると、数年後に修繕・交換コストがかさんでしまうケースも少なくありません。
一方で、高品質な素材を闇雲に採用すればよいわけでもありません。ゾーンごとの用途、ブランドが打ち出したいデザイン、そしてランニングコストまでを総合的に見据えて選定することが、長期的に店舗価値を守ることにつながります。
本記事では、店舗什器に使われる主要な素材の特性と選定基準を解説するとともに、130年以上の歴史を持つドイツのメラミン化粧板メーカー・フライドラー社(Friedola Hüppe)の素材が、なぜ国内外の商業空間で支持され続けているのかを紐解きます。
什器素材が店舗運営に与える影響
什器素材の選択は、店舗の「第一印象」と「運営効率」の両方に直結します。来店したお客様が最初に目にするのは商品ではなく棚・台・カウンターといった什器であり、その質感や清潔感がブランドイメージを形成します。同時に、スタッフが毎日清掃・整理する対象でもあるため、汚れの落としやすさ・傷への強さ・耐薬品性なども現場での使い勝手を決定づける要素です。
下記の3つの視点から素材選定を整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
① 耐久性・耐候性——什器は日常的な摩耗・衝撃・紫外線にさらされます。素材本来の耐性が低ければ、短期間で変色・欠け・膨れが生じ、店舗の印象を損ないます。特に飲食・食品販売では、油・水・洗浄剤への耐性も必須です。
② デザイン再現性・バリエーション——ブランドのトーンに合わせて「木目」「石目」「無地マット」「光沢」など多彩な表情を選べるかどうかは、空間設計の自由度を左右します。素材の種類が少ないと、デザイナーの意図を什器に反映しきれないことがあります。
③ コストとメンテナンスサイクル——初期費用だけでなく、塗装の剥がれ・表面劣化による再塗装や部材交換の頻度も含めたトータルコストで比較することが重要です。耐久性の高い素材は初期投資が大きくても、長期的なランニングコストを大幅に抑えられます。
店舗什器に使われる主な素材と特性比較
市場で流通している店舗什器の表面素材は大きく分けると次のカテゴリに整理できます。それぞれの特性と、どのような店舗・用途に向いているかを見ていきましょう。
メラミン化粧板
木質基材(MDF・パーティクルボード・合板)の表面に、メラミン樹脂を含浸させた紙をプレスして仕上げた素材です。硬度・耐熱性・耐薬品性のバランスが優れており、店舗什器の表面材として最も広く採用されています。表面の意匠バリエーションが豊富なため、ナチュラル系からモダン系まで幅広いブランドトーンに対応できる点も大きな特徴です。
表面硬度が高く傷がつきにくい一方、端部(エッジ)の処理が施工品質を左右します。ABS樹脂やPVCテープによるエッジ処理が適切に施されていれば、水分の浸入を防ぎ、長期にわたって美観を維持できます。
突き板(天然木ベニヤ)
天然木を薄くスライスして基材に貼り合わせた素材です。本物の木目と質感が得られるため、ハイエンドなセレクトショップやブランド路面店での使用例が多く見られます。ただし、水分・油分・直射日光に弱く、定期的なメンテナンスが不可欠です。コストも高めになるため、カウンターや棚板の一部にポイント使いするケースが現実的です。
スチール・アルミなどの金属素材
剛性・耐荷重性に優れ、アパレルや雑貨店のラックやパイプ什器として広く使われます。粉体塗装・メッキ・ヘアライン加工などの表面処理によってデザイン性を高めることができます。ただし、重量がありコストも高く、傷・錆への対策が必要です。木質素材と組み合わせて使うことで、双方の短所を補い合うデザインが一般的です。
アクリル・ポリカーボネート
透明・半透明の表現が可能なプラスチック素材で、ディスプレイケースや仕切り板として使われます。軽量で加工しやすい反面、表面に傷がつきやすく、清掃時の扱いに注意が必要です。高頻度でお客様が触れる部分への採用には耐久面での検討が求められます。
セラミック・ガラス
高級感と耐久性を両立できる素材ですが、重量・施工コスト・割れリスクが課題となります。ジュエリーや時計など高単価商品のショーケース天板など、ピンポイントで使用されるケースが多い素材です。
フライドラー社が選ばれ続ける理由——130年の技術が生む素材力
I&Fが国内に展開するフライドラー社(Friedola Hüppe)は、1895年にドイツで創業した、メラミン化粧板・高圧ラミネートの専業メーカーです。130年以上にわたって素材開発に特化してきた同社の製品は、ドイツ国内のみならずヨーロッパ全域、そして世界各地の商業空間・公共施設・医療施設で採用されてきました。その信頼の根拠は、単なる「歴史」ではなく、一貫した技術革新と品質管理の積み重ねにあります。
フライドラー社の製品ラインアップが店舗設計者から支持される最大の理由のひとつが、273種類のデコール(柄・意匠)と27種類のテクスチャ(表面触感)を誇る圧倒的なバリエーションです。木目・石目・コンクリート調・ファブリック調・ソリッドカラーなど多彩なデコールに加え、マット・グロス・エンボス・スーパーマット・アンチフィンガープリントといったテクスチャのバリエーションが組み合わさることで、設計者はほぼあらゆるブランドトーンを什器上で表現できます。
たとえば、ナチュラルブランドが求める「やさしい木の温もり」から、高級アパレルが志向する「漆黒のマット質感」、フードコートやカフェが選ぶ「クリーニングのしやすいグロス仕上げ」まで、一社の素材で対応できることは、什器メーカー・設計事務所の双方にとって大きなメリットです。仕様の統一によってプロジェクト管理が簡略化され、複数サプライヤーへの発注リスクも低減されます。
デコールとテクスチャの掛け合わせが生む設計の自由度
273デコール × 27テクスチャという組み合わせの豊富さは、数字以上の意味を持ちます。同じ「オークの木目」というデコールでも、マット仕上げとグロス仕上げでは全く異なる空間の印象を演出します。また、ハイトラフィック(来客頻度が高い)エリアに向けた耐傷性・耐摩耗性が強化されたテクスチャ、あるいは指紋が目立ちにくいアンチフィンガープリント仕様など、機能面でのバリエーションも設計の実務において非常に重宝します。
ウッドデコール系——ナチュラルオーク・ウォールナット・パインなど多数の樹種を忠実に再現。突き板では得にくい均一性と耐久性を持ちながら、本物の木に近い質感を実現します。アパレル・インテリア雑貨・カフェ什器と相性が抜群です。
ストーン・コンクリートデコール系——大理石調・モルタル調・スレート調など。重厚感と清潔感を同時に求められるジュエリーショップや化粧品セレクトショップのカウンターに採用されることが多く、施工の手軽さは本物の石材と比較して大幅に優ります。
ソリッドカラー系——白・黒・グレー・ベージュ系などのシンプルなカラーは、POP素材や商品カラーを引き立てるベースとして機能します。ドラッグストアやスーパーのインストアショップでの什器にも多く使われるカテゴリです。
スーパーマット・アンチフィンガープリント仕様——触れることが多い什器表面では、指紋・皮脂の付着が美観を損ないます。フライドラー社のスーパーマットテクスチャは、ソフトな触り心地と優れた防汚性を両立しており、ハイエンドブランドの什器やショーケースに特に適しています。
店舗什器における素材選定のチェックポイント
実際に店舗什器の素材選定を進める際、押さえておきたいチェックポイントをまとめました。
用途ゾーンに応じた素材グレードの使い分け——販売フロア・バックヤード・試着室・レジカウンターでは、求められる耐久性・意匠性のレベルが異なります。来客動線に近い場所ほど意匠性と防汚性を優先し、バックヤードは耐荷重・メンテナンス性を重視する使い分けが有効です。
エッジ処理の品質を必ず確認する——メラミン化粧板の品質は表面だけでなく、小口(端部)の処理精度によっても大きく左右されます。エッジ処理が甘いと、そこから水分・汚れが浸入して基材が膨れ、表面の剥離につながります。什器発注時にはエッジ仕様(材質・厚み・接着方法)を必ず確認しましょう。
清掃・メンテナンス方法を事前に把握する——素材によって推奨される洗浄剤・清掃方法が異なります。飲食店や食品販売店では油性の汚れへの対応が必須であり、使用可能な洗剤の種類も素材選定に影響します。メーカーの技術資料・メンテナンスガイドを確認してから採用を決定することが重要です。
什器の更新サイクルとライフサイクルコストを試算する——店舗什器の一般的な更新サイクルは5〜10年とされますが、素材の耐久性が低ければ3〜4年での再製作を余儀なくされるケースもあります。初期費用だけでなく、想定更新年数を加味したライフサイクルコストで比較することで、より合理的な判断が可能になります。
サプライヤーのサポート体制を確認する——素材に関する技術的な質問、施工上の相談、追加注文への対応速度など、サプライヤーのサポート体制も什器の品質に影響します。フライドラー社製品を扱うI&Fでは、素材選定の段階からの相談対応・サンプル提供を行っており、什器メーカーや設計事務所との連携実績も豊富です。
素材の力が、店舗の価値を長期にわたって守る
店舗の開業・リニューアルにおいて、什器は大きなコスト項目のひとつです。だからこそ、「今のコストを最小化する」のではなく、「長く使い続けられる素材を選ぶ」という視点で判断することが、結果的に店舗運営全体のコスト最適化につながります。
フライドラー社の130年以上の歴史は、素材がいかに店舗環境の変化・使用頻度・清掃負荷に耐えられるかを追求し続けてきた歴史でもあります。273デコール・27テクスチャというラインアップは、単なる「多さ」ではなく、設計者が妥協することなくブランドトーンを実現できるためのオプションとして存在しています。
店舗什器の素材選びに迷いを感じたとき、あるいはより高いクオリティを探しているとき、ぜひI&Fにご相談ください。素材サンプルの提供から什器設計への活用提案まで、プロジェクトの初期段階からサポートいたします。
SAMPLE REQUEST
什器素材のサンプルを取り寄せて、実際の質感を確かめてみませんか?
273種類のデコール、27種類のテクスチャから
お客様のプロジェクトに最適なサンプルをお届けします