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カウンター材の選び方|飲食店・小売店別のポイント
素材選定が、店舗の印象と運営効率を左右する
飲食店のカウンター天板、小売店のレジ台や陳列棚の天面。これらに使われる「カウンター材」は、来店客が最初に触れ、スタッフが毎日使い続ける什器の核心部分です。にもかかわらず、素材選定が後回しにされるケースは少なくありません。
本記事では、カウンター材の選び方を「業態別の要件」「素材の種類と特性」「デザイン性と耐久性の両立」という3つの軸で整理します。素材選定の判断基準を明確にすることで、開業・改装時のコスト最適化と長期的な店舗品質の維持につなげてください。
カウンター材が店舗運営に与える影響
カウンター材の選択は、店舗の「第一印象」と「運営効率」の両方に直結します。来店したお客様が最初に目にするのは商品ではなく棚・台・カウンターといった什器であり、その質感や清潔感がブランドイメージを形成します。同時に、スタッフが毎日清掃・整理する対象でもあるため、汚れの落としやすさ・傷への強さ・耐薬品性なども現場での使い勝手を決定づける要素です。
下記の3つの視点から素材選定を整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
① 耐久性・耐候性——カウンターは日常的な摩耗・衝撃・紫外線にさらされます。素材本来の耐性が低ければ、短期間で変色・欠け・膨れが生じ、店舗の印象を損ないます。特に飲食・食品販売では、油・水・洗浄剤への耐性も必須です。
② 意匠性・ブランド適合性——カウンターの素材色・テクスチャは、照明・床材・壁面と連動して空間全体の世界観を作ります。素材選定の段階でブランドのトーン&マナーと照合することが、完成度の高い店舗内装につながります。
③ 施工性・コスト合理性——同じ見た目でも、素材によって加工コスト・施工期間・将来のメンテナンスコストは大きく異なります。イニシャルコストだけでなく、LCC(ライフサイクルコスト)で素材を比較する視点が重要です。
業態別|カウンター材に求められる要件
飲食店(カフェ・バー・レストラン)
飲食店のカウンターは、調理・サービス・接客が交差する場所です。水・油・熱・アルコールに常時さらされるため、表面の耐水性と耐熱性が最優先事項となります。また、カウンター越しにお客様と向き合う業態では、天板の質感が「店の格」を直接伝えるため、意匠性も妥協できません。
バーカウンターであれば、アルコール・柑橘系の飲料による表面劣化への耐性も考慮が必要です。メラミン化粧板やコンパクト(HPL)素材は、これらの要件を高い水準でクリアしながら、木目・石目・無地と豊富なバリエーションから選択できる点で多くの飲食店に採用されています。
小売店(アパレル・コスメ・セレクトショップ)
小売店のカウンターは、レジ・ラッピング・接客相談など複数の機能を担います。スタッフが長時間立ち作業をする環境であるため、表面の傷つきにくさ・汚れのふき取りやすさが日常業務の質に直結します。
アパレルやコスメのように「ブランドの世界観」が購買体験を左右する業態では、カウンター材のテクスチャや色調がVMD戦略の一部です。マットな質感、細かな木目、コンクリート調など、ブランドのアイデンティティと調和する素材を選ぶことが、空間全体の完成度を左右します。
食品スーパー・ドラッグストア
高回転の商業施設では、カウンター材に「コストパフォーマンス」と「メンテナンス性」が強く求められます。表面が傷んだ際の部分補修・貼り替えのしやすさ、複数店舗への展開を見据えた調達安定性も選定基準に加わります。規格品のメラミン化粧板は、標準化・量産対応の観点からもチェーン展開業態に適した素材です。
カウンター材の種類と特性比較
メラミン化粧板(低圧メラミン/高圧メラミン)
最も広く普及しているカウンター材の一つ。表面にメラミン樹脂を含浸させた紙を基材に貼り合わせた構造で、耐摩耗性・耐熱性・耐水性に優れています。木目・石目・無地・布目など多彩なデザインが揃い、コストと品質のバランスが高い素材です。
低圧メラミンは比較的薄く家具向けに多用されるのに対し、高圧メラミン(HPL)はより厚みのある積層構造で強度が高く、カウンター天板や什器天面など負荷がかかる部位に適しています。
コンパクト(HPLソリッドパネル)
表裏ともにメラミン含浸紙で構成されたソリッドパネル。断面まで均一な素材であるため、エッジ処理が不要で切断・加工の自由度が高く、湿気への耐性も抜群です。水回りが多い飲食店や医療・福祉施設でも採用実績が豊富で、衛生面を重視する環境に適しています。
天然木・突板
自然な木目と温もりを持つ天然木・突板は、カフェやセレクトショップなど「素材感」でブランドを表現したい業態に強みを持ちます。ただし、水や油への耐性は低く、定期的なオイルメンテナンスやコーティングが必要です。長期的なメンテナンスコストを見込んだうえで採用を検討することが重要です。
セラミック・石材系
耐熱性・耐傷性が高く、高級感のある仕上がりが特徴です。重量が大きく施工コストも高いため、ラグジュアリーブランドの旗艦店や高単価の飲食店など、特定の業態に絞って採用されることが多い素材です。
フライドラー社が130年かけて磨き上げた「素材の選択肢」
カウンター材の意匠性を左右する最大の要素が、表面を構成する「デコール(柄)」と「テクスチャ(表面質感)」です。この2軸をどれだけ豊富に持てるかが、店舗ごとの世界観を実現できるかどうかを決定づけます。
ドイツのフライドラー社(Frydeleur)は、1895年の創業以来130年にわたりメラミン含浸紙の製造技術を深化させてきたメーカーです。世界各地の建材・什器メーカーに素材を供給し、その品質と意匠は国際的な商業施設・店舗内装プロジェクトでも高い評価を受けています。
フライドラー社の素材ラインナップは、273種類のデコールと27種類のテクスチャを網羅しています。木目一つをとっても、ライトオーク・ウォールナット・エボニーなど樹種・色調・節の有無まで細分化されており、ブランドのトーンに合わせた精緻な素材選定が可能です。テクスチャも、マット・サテン・エンボス・スウェード調など多彩なバリエーションが揃い、視覚と触覚の両面から空間体験を設計できます。
「ちょうどいい素材がない」という什器設計の悩みは、多くの場合、選択肢の幅の問題です。273×27という組み合わせが、その悩みを解消する起点になります。
カウンター材選定の実践ステップ
素材選定を属人的な感覚に頼らず、再現性のあるプロセスとして設計するために、下記のステップを参考にしてください。
Step 1:業態・用途の要件を言語化する
水・油・熱・薬品への耐性が必要か、重量物を置く天板か、接客の場に直接面するかなど、カウンターが置かれる環境条件を書き出します。
Step 2:ブランドのトーン&マナーを整理する
ロゴカラー・インテリアの基調色・ターゲット顧客層のイメージを踏まえ、素材が持つべき色調・質感の方向性を定めます。
Step 3:実サンプルで光源・隣接素材との相性を確認する
カタログや画像だけでなく、必ず実物サンプルを取り寄せて店舗の照明環境・床材・壁面素材と並べて確認します。デジタル上の色と実際の見え方は異なるため、この工程を省くと完成後のイメージとのズレが生じます。
Step 4:施工・調達のオペレーションを確認する
複数店舗展開の場合、素材の安定調達が可能かどうかを事前に確認します。廃番リスクや最小発注ロットは、長期的な運用コストに直結します。
カウンター材サポート
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